生活が豊かになり、あらゆる食べ物が手に入るようになると、新しい味わいを求めるようになりました。人は、新しい味わい「サプライズフード」に出会い、生活や心の豊かさを高めてきたと言えます。サプライズフードとは、一言で言うと時代を賑わせてきた食品のこと。サプライズフードには、4つの役割があると思えます。
❶コミュニケーションのネタになる食品
❷気持ちをアゲられる食品
❸幸せ感を得られる食品
❹食事を賑わせる食品
このサプライズフード産業を強化するのが、中小企業の発展と地域活発化につながると考えます。

今では当たり前のガムやチョコレートも、戦後のモノが無かった時代は貴重なサプライズフードでした。高度成長期には、生クリームケーキやアイスケーキ、ポテトチップスなど新しいお菓子が現れ、誕生日などの特別な日をより楽しく盛り上げました。インスタント麺やレトルトカレー、カップ麺などは忙しい主婦やビジネスマンの食生活を便利にするサプライズフードとして登場。今では時短食品というひとつの産業として確立しています。
1970年代にアメリカから上陸したファストフードは、歩きながら飲み食いするのは行儀が悪いという当時の常識を塗り替え、新しいライフスタイルとして定着しました。
1980年代になると飲み物にも革新が起きました。それまで缶コーヒーはありましたが、初めて缶入り煎茶が登場したことで、急須と湯飲みを使わなくても手軽にお茶を楽しめる時代が到来。さらに90年代に登場したペットボトルのお茶が、いつでもどこでも手軽に飲める飲料として若い人だけでなく年輩の人へも普及しました。
バブル時代には、豊かさを象徴するようなサプライズフードが次々に登場。高級感があるけどフランス料理ほど敷居は高くない食事として、それまでスパゲティぐらいしか知られていなかったイタリア料理に火がつき、イタめしやピザ、ティラミスなどが一大ブームに。「デートと言えばイタめし」が定番になりました。ワイン人気が高まり、ボジョレーヌーボの解禁日が定着したのもこの頃です。また、カルーアミルクなどの甘いカクテルが流行したことで、若い女性の日常的な飲酒が市民権を得たと言えます。トムヤムクンなどの激辛ブームが起きたのも、刺激を求める世相を反映したサプライズフードと言えるでしょう。
近年になると、もともとあった食品に新しい提案を加えることでブレイクするサプライズフードが出てきます。食べるラー油、卵かけご飯用醤油などがそうです。おいしいものが溢れている時代、「ご自由にお使いください」と言われても、消費者は何を選んで良いのか分かりません。「○○専用ですよ」と提案されることで、「これは私が欲しかったものだ」と気づけるのです。東日本大震災を期に、大切な人と一緒に食事をする時間が増えたという人が増加。この頃から絆を深めるために食を楽しむ人たちが増え、鍋パ、たこパなどのホームパーティや、B級グルメ、肉フェスなど仲間と食のイベントを楽しむスタイルが活発化しました。
SNSが普及すると、インスタ映えする食品…エディブルフラワースイーツ、萌え断サンドイッチ、レインボーフード、寿司ケーキなどが世の中を賑わせています。最近は、店頭でカスタマイズできるコーヒードリンク、自由にカラフルなトッピングができるアイスクリーム、麺の太さやスープの濃さ、辛さ、トッピングを選べるラーメン、自分でアレンジを楽しむ変わり鍋など、オリジナル性を楽しむニーズが上昇。お店やメーカーの押しつけの味ではなく、自由にカスタマイズして楽しむサプライズフードの時代が来ていると言えます。
バレンタインには、自分のために高級なチョコレートを購入する女性の姿も当たり前になりました。お祝いや自分へのご褒美など特別な時にちょっとグレードの高い食事を楽しむなど、サプライズフードを上手に使い分けるようになっています。

 お腹を満たすために「食べる」(フード)から、会話を楽しみながら豊かな時間を過ごすために「食事をする」(ミール)へと時代が変わる中、食のサービスも多様化しています。例えば、食材の宅配便も、最近はプロ監修のレシピで自宅でレストランのような料理が作れるミールキットが登場。週末に家庭でレストランの味を楽しみたいユーザーの需要が広がっています。また、がんばり過ぎずに素敵に生活する「エフォートレスフード」をコンセプトに、前菜からメインディッシュ、デザートまでフランス料理のコースが楽しめる冷凍食品が登場し、サプライズフードファンの人気を得ています。都市圏では少人数のホームパーティ向けデリバリーや、出張シェフのサービスなども拡大。さらに、メーカーやお店が提供する味だけでは満足せず、さまざまな調味料や食べ合わせを工夫して、自分の味をカスタマイズして楽しむサプライズフードファンが増えています。これはまさに、食産業がサプライズミールの時代に入った象徴と言えでしょう。しかし、モノ的な提案だけでは、近い将来、限界が訪れると思われます。

食で自分磨きの「サプライズミール」を満足させる「第2のサプライズフード」が求められています。例えば
❶食で健康への意識を高めるためのサプライズフード
❷食で美容への意識を高めるためのサプライズフード
❸食で人との交流レベルを高めるためのサプライズフード
❹食で地域への認識を高めるためのサプライズフード
❺食で文化や歴史に触れるためのサプライズフード
❻食で美意識を高めるためのサプライズフード
❼食で自然に対する感謝を高めるためのサプライズフード
❽食で見識を高めるためのサプライズフード
などが挙げられます。
食事を賑わすための食品が第1のサプライズフードだとしたら、食で自分磨きを高め「食のライフコーディネート」をバックアップする食品が第2のサプライズフードと言えます。この第1、第2のサプライズフードが、今後ますます消費者と食品関連企業を活発にしていくでしょう。この第2のサプライズフードの代表として、弊社が関連企業と開発した「ちゃらいふ緑茶」があります。

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